燻製の基本

燻製を自分で作るのは難しい・・・と思っていませんか。実は基本的なことをおさえれば、燻製はそれほど難しいものではありません。普段食べているウィンナーやチーズなど、簡単なものなら10分程度で燻製可能!やはり自分で燻製したものはやっぱり格別です。
燻製の基本を覚えて、楽しい燻製ライフを堪能しましょう!

燻製の種類

燻製調理は、チップに火にかけ煙で食材を燻すと同時に食材の加熱も行うのが基本です。熱の温度や燻す時間によっても味や香りが異なり、そのタイプは大きく分けると熱・温・冷の3種類。食材や好みに合わせて使い分けてみましょう。

熱燻

 
80℃以上の高温で食材に火を通しながら香りをつける方法。熱燻は比較的簡単なので初心者にもオススメです。特に中までしっかり火を通したい生肉から調理するレシピなどに向いています。

温燻

 
50〜80℃の中温でゆっくり燻す、もっともポピュラーな方法。熱燻よりも煙臭さが少ないので、比較的上品な味の仕上がりになります。

冷燻

 
25℃以下の低温で燻製する上級者向きの燻製です。温度や時間の管理が難しいので、慣れてきてから挑戦することをオススメします。生ハムやスモークサーモンのように食材に火を通さずに燻製したい食材に向いています。
 

スモーカーを選ぼう

燻製するために必要なのがスモーカーや燻製器と呼ばれる道具。様々な形や大きさのスモーカーがありますが、底にチップを入れて火にかけるという仕組みはどのタイプでも同じです。それぞれのスモーカーの特徴をご紹介するので、イメージする燻製ライフに合ったスモーカーを選びましょう。

縦型タイプ

 
一番オーソドックスなタイプのスモーカーです。魚や肉を吊るして燻すなら縦型タイプがおすすめ。高さがあり、熱源と食材が適度に離すことができるので温燻しやすいのがポイントです。

横型タイプ

 
魚など長さがある食材でも丸ごと入れることができるので、使い勝手がいいのが横型タイプ。縦型より熱源に近いので、熱燻に最適。

土鍋タイプ

 
土鍋タイプのスモーカーはアルミやステンレス製のスモーカーよりも保温力があるので、加熱後に火を止め余熱で燻すという使い方もできます。熱源に近いので熱燻に最適。

燻製チップの種類

燻製チップには、サクラ、ナラ、クルミなどが比較的よく使われています。サクラは強めの香り、クルミとナラはあっさりめの香りですが、この3点はいずれもオールマイティーに使うことができます。他によく使われるのはヒッコリーで、サクラなどとブレンドして使われることもあります。

サクラ

 
日本で最もポピュラーな燻製材として知られています。さくらは香りが強めなので、クセのある食材に適していると言われ、肉系との相性が抜群です。

ナラ

 
ナラはくせのない香りで、色つきは濃く出るので、素材を選ばず、何にでも合います。特に魚に使用するときれいな色に仕上がります。

ブレンド

 
サクラやナラ、クルミなどをブレンドしたもの。あまり癖がない仕上がりになるので、はじめて使うならハズレなし。慣れてきたら自分でブレンドするのも楽しいです。

下ごしらえのコツ

フォークで穴をあける

 
大きく分厚いかたまり肉を燻製するなら、下ごしらえとしてフォークで穴を開けておきましょう。穴をあけることで味が染み込みやすくなり、また筋や繊維を断ち切る役割もあるので肉が柔らかくなります。

水分を取り除く

 
上手に燻製するためには水分をしっかりと拭き取っておくことが大切です。水分が残っていると酸味やえぐみのある燻製になってしまいます。風で長時間乾燥させるのがベストですが、キッチンペーパーで表面の水分を拭き取るだけでもOK!しっかり乾燥させる場合は冷蔵庫に入れるのがオススメです。

常温に戻す

 
冷蔵庫で乾燥させた食材は、燻製する前に30分程度室温におき、常温に戻しておくのがポイントです。急激な温度変化で結露ができたり、中心が冷えていることで、十分加熱されないということもあるので注意を。

燻し方のコツ

燻製の基本を理解すれば特に難しいことはありません。初心者が覚えるべきポイントは燻製チップの量と、火加減についての2点。まずはその2点をしっかり押さえて、楽しい燻製ライフを始めましょう。

チップの量

 
スモーカーに入れるチップの量の一回分は、一握りほど。スモーカーのタイプや燻す時間によっても多少チップの量を調整する必要がありますが、大抵は一握り程度で十分です。また、チップは食材から滴れてくる水滴が当たらないようにアルミホイルで包んであげるのがポイントです。
 

火加減のコツ

 
まずはチップを強火で加熱し、煙を出します。弱火だといつまでたっても煙が出てきません。煙が出たら火を弱め、中火で燻す温燻を基本に熱燻ならもう少し強火に、半生仕上げなら、もう少し火を弱くします。冷燻の場合は、チップは使わずにスモークウッドに直接火をつけ、煙を出します。

後片付けのコツ

一度燻製したことのある方ならお分かりになると思いますが、燻製料理をした後は燻製器がベトベトになり、汚れがこびり付いてしまうので、洗剤で洗ってもなかなか汚れを落とすことができません。でも毎回洗うのに大変な思いをしていたら燻製が嫌になってしまいますよね。そんなときに活躍するのが重曹です。燻製器に重曹をといた水に30分程度浸すことで簡単に汚れを落とすことができます。

初心者でも簡単燻製!

ここまでの基本を理解したらもう簡単な燻製は大丈夫!まずは下ごしらえなしの初心者でも簡単にはじめられる燻製に挑戦してみましょう。

長ネギ燻製のオリーブオイル漬け

カテゴリー:燻製
燻製時間:15分
材料:ナラスモークチップ、長ネギ、ブラックペッパー

梅干しの燻製

カテゴリー:燻製
燻製時間:10分
材料:ナラスモークチップ、梅干し